理論を学ぶことで、世界中の音源があなたの先生になる
例えばあなたの好きな曲のフレーズをコピーしたとします。
その中にはきっと、かっこいいフレーズがたくさんあったことでしょう。
コピーバンドでバンド演奏を行ったり、音源と一緒に演奏したりとても楽しいと思います。
そして次の段階として、自分の好きなように、自由に演奏してみたくなるのが自然の流れではないでしょうか?
ここで一つ考えてみてください。
今のままでせっかく覚えたそのフレーズを、自由に使うことができるでしょうか?
恐らく今のままでは使えないことでしょう。
なぜなら、今覚えたフレーズを弾いたアーティストがどんな時にそのフレーズを使用したかを理解していないため、今度は自分がそのフレーズを使用する時に「どんな時にそのフレーズを使用したらかっこよくハマるのか」がわからないのです。
ここでついに音楽理論の恩恵を賜ることができます。
音楽理論を学び、その曲のキーやコードを理解することによって、覚えたフレーズをどんなシチュエーションで使用するとかっこよくハマるのかを「感覚的」ではなく「理論的」に把握することができるのです。
つまり、憧れのギタリストがなぜそのフレーズを使用したのか想像することができます。
憧れのギタリストの頭の中を想像することができる。
これで一つ、憧れのギタリストに近づけていることがわかると思います。
また、例えばそのフレーズがどんな音を使用して作られているか、その時のコードとフレーズの関係を理論的に把握することによって、憧れのギタリストがどのような考えの上で、そのフレーズを考えたのかが想像できるようになります。
つまりコピーだけではなく、憧れのギタリストのアイデアに沿った上で、オリジナルのフレーズを考えることができるようになるのです。
こうしてまた一歩、憧れのギタリストに近づくことができるのです。
前回、憧れのギタリストに直接教えを請うことができれば、それがベストであるということを書きました。
しかし残念なことに、それはなかなか現実的ではないことも事実です。
そんな中でも理論を学び、憧れのギタリストのプレーを研究することによって、CDなどの音源から憧れのギタリストの考え方がわかるようになります。
つまり、本人から学べなくても、音源から学ぶことができるのです。
これはとても価値があることです。
無数に存在する音源が、すべてあなたの師匠になるのです。
その中から自分のかっこいいと思ったものだけをどんどん取り入れていき、自分だけのスタイルを構築していくことが、我々ミュージシャンの永遠の課題だと思います。
数回に分けてお話ししてきましたが、音楽理論を学ぶことの意義を少しでも感じていただくことができたなら幸いです。
少しずつ一緒に勉強していきましょう。
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